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チックフィレイでのキャンペーン

大手チキンサンドウィッチチェーン店 Chick-fil-A (チック・フィルA, チック・フィレイ) では、牛が 「もっとチキンを食べてください!」 と呼びかけています。

Chick-fil-A の Eat Mor Chikin (もっとチキンを食べてください) キャンペーン

Chick-fil-A ではリアルな牛のキャラクターが、 「EAT MOR CHIKIN (もっとチキンを食べてください)」 と言ってチキンを宣伝しています。

このマーケティングキャンペーンを私なりに分析して、次のポイントにまとめました。

ポイント1.ウシが身を守るための活動

ウシは自分たちの身を守るために、もっとチキンを食べてくださいとお願いしています。

このことは、事実を含む命懸けのお願いであることが、客、消費者にもはっきりわかりやすいですよね。このため、お店のマーケティング戦略というより、世の中のウシがお願いしている雰囲気が出ています。

Chick-fil-A の Web サイトには、「1995 年にはじめて広告が出て以来、”Focused solely on preserving their own hides, those Cows started a quest to get hungry people to choose chicken over beef.” (宣伝のウシは、自分たちの身を守ることだけのために、おなかの減った人が牛肉よりも鶏肉を選ぶようにしてもらうための旅を始めた) 」 と書かれています。

ポイント2.キャラクターに名前がない

お店のキャラクターには、普通名前がついているものです。

マクドナルドのドナルド、KFC のカーネルサンダース、愛・地球博のキッコロとモリゾー、読売ジャイアンツのミスタージャビットとシスタージャビット・・・。

Chick-fil-A のウシには名前がついていません。このため、世界中のウシが Chick-fil-A を命懸けで応援しているような印象を受けます。

ポイント3.リアルなウシ

ウシはデフォルメなどの工夫を施すことなく、リアルなまま登場します。漫画的でもなく、ウシそのままの姿で Chick-fil-A の販売員、マーケターとして登場します。

これも現実世界のウシからのメッセージである印象を強めています。

ポイント4.上品なウシ

基本の “EAT MOR CHIKIN” は上に示したようなパターンなのですが、いくつかバリエーションがあります。例えばこんなパターンです。

ウシは上品な正装姿、場合によってはこの写真のような貴族的な過度の正装で現れます。

ウシはキャンペーンを成功させたいために必死。考え抜いた挙句に過度の正装をしてしまって、結果的に場違いになってしまった。そんな点がユーモラスさを引き立てています。

ポイント 5. 綴りを間違うウシ ~ 英語を学びたて感

広告では、わざと綴りを間違えています。

EAT MORE CHICKEN ではなく、EAT MOR CHIKIN. です。 more のサイレント e が落ちているのと、チキンのキンの部分が CKEN ではなく KIN になっています。

英語の綴りを勉強し始めたばかりの子供が書くような間違いであることから、人間に語りかけるために、牛が一生懸命に英語を勉強した様子がうかがえます。

ポイント6.ペンキで広告を書くウシ ~ 牧場で広告を書く姿

ウシが書いた文字は、ペンキが垂れています。

プリンターで印刷したような書体ではなく、ペンキが垂れた書体です。 これによって、牛が自分でペンキを使って広告を作った雰囲気が出ています。

もし牛が宣伝用の看板を作るならば (もちろんこれだってファンタジーな仮定ですが)、パソコンに向かって文字を打って広告を作り上げるよりも、牧場に落ちていたペンキと板切れを使って看板を作る確率のほうが高いはずです。

ポイント7.肉牛ではなくホルスタインが活躍する

肉牛として有名な品種ではなく、乳牛として知られるホルスタイン種の牛が宣伝で活躍しています。

肉牛というと黒褐色、茶褐色の牛を思い浮かべ、白と黒の模様を持つホルスタインは乳牛であると思う人が多いと思います。しかしながら、あえて、ホルスタイン種の牛が広告では活躍しています。

ホルスタイン種のウシを広告に採用した理由について、Chick-fil-A のウェブサイトでは3つ理由が述べられています。

  1. Holsteins are the most recognizable cows. In advertising, quick and simple are always best. (ホルスタインは最も見分けのつきやすい牛です。広告では素早く、単純であることが常に最高です)
  2. The Holstein cows are often used to represent bovines of all types (beef cows, etc.), and they are more “lovable” than other cows. (ホルスタイン牛はしばしば全てのウシ科の動物を表現するのに使われ、他の牛よりも愛嬌があります)
  3. Finally, many Holstein cows are in fact used to make beef once their milk-giving days are over. (最後に、多くのホルスタイン牛も実際のところ乳がとれる時期が終われば牛肉を作るのに使われているのです)

確かに、茶褐色のウシでは、よくみないとウマ、ロバなどのほかの動物と見間違う可能性が高まるでしょう。

ポイント8.消費者の上から目線と非情感

この広告をみて、消費者は

「『もっとチキンを食べてください』 といくらウシにお願いされても、今後もウシを食べないことを約束するわけではないし、今後も食べ続けるんだけどね」

と、上からウシをみます。

食物連鎖の非情な点、ウシは食べないでトリを食べてくれというウシの身勝手な点、だけど必死な感じが伝わって憎めない点・・・

そうした感情が入り混じって、結果的にユーモラスな広告が出来てます。

ポイント9.押し売りされても憎めない

ラーメン屋さんの宣伝で 「カレーよりももっとラーメンを食べてください」 と単純に書いていても、目は引くでしょうが、「え~、どうして?強引だなぁ」 という印象を持ってしまうでしょう。(もっとも、この場合はなぜカレーが目の敵になるのか、気になるところですが)

しかし、ポイント8で述べたように、Chick-fil-A のウシの姿は、いわば命乞いであり、消費者は上から目線になれることから、消費者は 「食べてください」 という押し売りにも憎めない感情を持ちます。

誰でも押し売りは嫌いなものです。

ですが、こうした憎めない感を演出することによって、「もっと食べて」 という “押し売り” を消費者に受け入れやすくしています。

今日のまとめ

以上、なかなか他所では見かけない、ユーモアあふれる Chick-fil-A のキャンペーンを分析してみました。

こちらは、一応英語ブログなので (汗)、英語のポイントを含めたまとめです。

  • Chick-fil-A ではウシが “EAT MOR CHIKIN” というキャンペーンを行っている
  • preserving their own hides → 自分たちの身を守るために
  • choose chicken over beef → 牛肉よりも鶏肉を選ぶ
  • bovines → ウシ科の動物
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